元通信制高校の先生が語る、不登校でも大学受験に合格する方法

不登校に悩まされていた生徒たちと大学受験を挑んだ、元通信制高校の先生が受験に関する情報をお伝えするブログです。

夏休み明けに子どもが休みだしたら、どうする?

こんにちは。
名古屋市通信制高校
進学コースの責任者をしている。
福ちゃんです。


夏休みのあと、
学校を休む子どもが増えます。

うちの学校でも、
夏休みが明けてから一ヶ月ほどすると
休みがぽつぽつ出てきます。

夏休み明けすぐは、生徒も頑張れるんです。
しかし、気温差も大きくなり、
体調管理が難しい時期になってくると、
疲れがどっと出て、休んでしまいます。


ただ、「学校に行きたくない」と言い出す子は、
この数か月のことが苦しくて、
突発的に「行きたくない」と言っているわけではありません。
ずっと以前から悩んでいた子が多く、
体調を崩したことが引き金になって、
ますます苦しくなっているということがいえるでしょう。

 

「遅れ」を取り戻そうとする状況は
疲れた子どもには逆効果

大人が勝手に決めたノルマを課せられる、
子どもたちは疲れ果てていきます。


その子のペースがあるんです。
特に小学生・中学生は
このペース管理を間違えると
どんどん心が離れていってしまいます。


例えば、コロナの休校期間があり、
世間の考え方の流れが変わると期待されました。

しかし、休みが明けてみると、
どうにかして「遅れ」ばかりに目を向け
取り戻そうとする大人ばかりです。

その結果、不登校の生徒は増えています。


そもそも、子どもたちが学校に行きたい理由なんて、
運動会などの行事とか休み時間といった時間です。

詰め込みで勉強することなんて求めていません。
それなのに、勉強を「がんばれ」とばかり、
学校はぜんぜん面白くない、
行きたくない、となります。


休校期間にも、朝から勉強するものだと言って、
子ども自身が落ち込んで苦しんでいるときに
勉強させようとするのは、苦しい思い出じゃないでしょうか?


そのような考え方ではなくて、
楽しめることを1つでも2つでも
見つけようと切り替えて、
人生を楽しもうとする保護者を持つ子どもが、
結果、学力を取り戻す可能性は高いんです。



大人たちが子どもの学習の遅れを
取り戻させようとするあまり、
子どもたちは疲れ果てて、
不登校が増えています。

その中で、笑顔を取り戻せた親子は、
これまでどおりということに縛られず、
今の状況下で「1つでも2つでも
楽しみを見つける」という考え方で、
「人生を楽しもうとする家庭」だそうです。

気持ちが不安定になっている
子どもを安心させるためには、
なによりも保護者が、
笑顔でいることが大切です。

親がイライラしてたら、
子どもにはすごいストレスです。

子どもも勉強しなきゃいけないことは分かってます。
でも、やるのに必要なエネルギーがないのです。

まず、してあげることは、エネルギーチャージです。
しっかり休んで、楽しい時間をたくさん作ってあげてください。


悩み相談された時の接し方

子どもが困っていることを
相談してくれたとき、
大人としては適切なアドバイス
したいと思うかもしれません。


人生経験も違うし、子どもの状況を
客観視できるのが大人であるのは、
確かに一面では正しいかもしれません。


ただ、いくら正しくても、
アドバイスのやり方によっては
子どもが聞いてくれないということも起こります。

そうならないようするためには、
どうしたらよいのかを考えていきましょう。

 

①子どもの気持ちを聞くことが最優先


子どもが困っていることへの
アドバイスで難しいのはタイミングです。

大人が思いついたときに
そのまま伝えると、
たいていの場合は失敗します。

子どものことが心配な時は、
まずは素直に「心配している」という気持ちを伝えて、
今現在、本人がどんな気持ちでいるかを聞いてあげましょう。

つらく、苦しい気持ちを、
まずはたくさん話させてあげましょう。



たとえば、不登校になって、
その子の気持ちをよく聞いてみると、
いじめで人間関係がつらいという場合もあります。

社会人でも何かトラブルがあったときには、
人に原因を求めるのではなく、
システム的な原因を突き詰めた上で
仕組みを変えていくことが大切ですよね。

子どもの本音を聞く前に、
不登校」という事実だけを
どうにかしようと考えても、
気持ちに沿ったアドバイスには
ならないと思いませんか?


たとえば学校側に、
「進級できないよ」などと
言われる場合もあります。

これは学校側にも、保護者側にも、
「圧力をかければ子どもはやる」と
思っている部分が
あるのかもしれません。

もちろん、そこで奮起する子どももいます。
もしかすると、教員や保護者はそうなのかもしれません。
しかし、その子はその子です。

だから、その言い分はずるいは思います。

子ども本人は本当は勉強をがんばりたいと
思っているかもしれません。

それなのに、いじめのせいで
授業を受けるために
学校へ行けないという場合もあります。

だから、まずは子どもの話を
じっくり聞いてあげ、
根本的な原因の特定が
優先となるのです。

 


➁子どもの話を聞くときは、話を途中で遮らないで

 


子どもの話を聞くときに、気をつけたいのは、
「子どもの話を途中で遮らない」ということです。

「宿題をやっていないから、
 学校に行きたくない」と
子どもから言われたときに、

大人からすると、どうしても
「だから、言ったでしょ。宿題やりなさいって」など、
追い打ちをかけてしまうようなことを、
つい言いたくなるものです。

しかし、そこはぐっとがまんしてください。

「そうなんだ」と、
今の本人の気持ちを聞いてあげると、
その奥にある気持ちや、
別の情報がどんどん溢れてきます。


また、カウンセリングの技術で、
簡単に実践しやすいもので
「オウム返し」は効果が高いと思います。

「宿題、できなかったんだよ」
「そう、宿題できなかったのね」
「だから、学校行きたくなくて」
「学校、行きたくないんだね」と、

子どもの話をそのまま繰り返す。
忍耐は要りますが、
芝居だと割り切って演じてください。

もし提案したいことがあったとしても、
翌日にしましょう。

でも、話を聞いていると
イライラすることもあるかもしれません。

僕も仕事柄よく相談に乗りますが難しいです。
聞いている大人の心が荒れることは
もう覚悟しながら、それでも今日は
「聞き役」に徹して、芝居を打つと心に決めてください。


ただ自分の本心までを
捻じ曲げる必要はありません。
「自分とは違うんだな」と思いながら
聞けば良いんです。

素晴らしく理解のある親、
子の苦しみをまるごと受け止める親も
また同じ人間ではないので
誰もなれません。



③まとめ 


子どもが困っている話を聞き出すときは、
「話を途中で遮らないこと」が大切。

「聞き役」という役柄を演じましょう。
子どもの表面に見えている行動の
その奥にある気持ちをじっくりと聞き出すことで、
解決に結びつくアドバイスが生まれるはずです。

生徒の悩み ~「素でいると、暗い」と思われてしまうんです ~

こんにちは!
名古屋市通信制高校のサポート校で
特進コースの担当をしており、
不登校の生徒と

大学受験に挑戦している
福ちゃんです!

今回は、生徒と話している中で、
「素でいると暗い」と
思われてしまうことに悩んでいたので、
話した内容も交えながらまとめていきたいです。


まず、本人の解釈をじっくり聞きます。
本人的には、家での楽しい感じで
そのまま学校に来れる日は良いが、
登校している電車の中で
色々考えてしまう。

そのうちに、どんどん暗い気持ちになって
自分的には素でいるつもりなのに、
暗いねって言われてしまう。

といった感じでした。


まず、僕としては、
それが許される環境なら
それでも良いんじゃないかと答えました。

もちろん、自分で自分を盛り上げる努力は
社会人として生きていく上では
必要とされるかもしれません。

なので、「素でいると、暗い」と

言われてしまうのは、
その子が損するタイミングも

出て来るかもしれません。

ただ、僕らは

生徒に安心できる居場所だと
思ってもらえることを目標にしています。

そういった居場所では、
ありのままの自分で良いんだと
思わせてあげることも大事かと思います。

プライベートな自分と、

オフィシャルな自分を
はっきり区別して、

メリハリをつけることは
自分のメンタルを保つためにも重要ですしね。

生徒の成長に目を向けるなら

 

上の話は、まず居場所として

安心してもらえる
そういった設定でお話ししました。

今度は、生徒の成長に

焦点を当てて
話していきたいと思います。

今回の生徒は、

不登校から立ち直り、
受験勉強を進める中で、
自分の精神的成長と

向き合うことで悩んでいました。

この場合のアドバイスとしては、
「どうなりたいのか」を

明確にすることです。


なぜそれを問題と

捉えるようになったのか、
そして、それをどのように

解決していきたいのか、
その先に、目指すべき自分がいるのか。

この辺りを一緒に考えていきます。
うちの生徒は

この辺りを言語化するのが

苦手なので
どんどん質問して深堀りしていきます。

ポイントは、

自分に決めさせることです。


答えをこちらが与えてしまえば、
そこで成長が止まってしまいます。

結果至上主義なら

それでも良いのかもしれませんが、
僕は過程重視で、

生徒に成長してもらい、
その先のステージで活躍してもらいたいので、
絶対に答えを与えません。


正直、そもそも不登校だった子を
むりやり成績あげて

難関大に進学させることに
僕はあまり魅力を感じません。

その子の頑張りを評価して、
自信を持って、行きたい大学に行き、
そこで大活躍してくれればOKです。

ということで、、



今回の生徒は、
「周りにどう思われるか」
これが心配で悩んでいました。

結果、それでも良いと思ってくれる人はいる。
だから、そこまでは気にしない。

でも、将来を考えたら、
自分の見え方は

コントロールできるようになりたい。

「それなら、その練習を一緒にしてみよう」と
いまは2人でせっせと練習中です。

生徒のお悩み~同じ質問をしても良いのかな~

こんにちは!
名古屋市通信制高校サポート校の
進学コースで指導をしている福ちゃんです!

今日の生徒のお悩みは、
「同じ質問を何回もしても良いのか?」です。

この生徒は、

進めている問題集で、
説明を聞いても、

同じ問題を間違えてしまった時に
もう一度聞いても良いのかと悩むそうです。

先生に、「教えたのに」とか
「なんで分からないの」とか
思われるのが、なんとなく怖い。

まず、僕の答えは、

「全然いいじゃん!」です。
むしろ、どんどんするべきだと思います。

「ただし、質問の次元が

毎回上がっているならばね」
とは言いますけど。

そもそも、一回説明聞くだけで、

解けるようになるなら、
解説をしっかり読めば、

自力で出来るのでは?とも思います。

難しい問題になればなるほど、
解くために必要なステップは増えます。
1度の質問で

それらすべてを

把握するのは難しいです。

まずは1回の質問で

1STEPを心掛けて、
先生の話をよく聞いて、

自分で実践してと、
段々と自分の吸収率を

上げてくれれば良いと思います。

いずれは、一度の質問で
多くのことを吸収できるようになれば
それで良いのではないのでしょうか?

スモールステップを踏んで、
ゆっくりでも着実に成長してください!

ということで、今日はここまでです!

「なぜ大学に行きたいのか」を大事にした大学受験を目指して。

こんにちは!
名古屋市通信制高校サポート校で、
不登校経験者の生徒さんを中心に
大学受験指導をしている福ちゃんです。

夏休みも終わりに差し掛かるこの時期、
保護者の方とも面談をする時期です。

その中で、思うことがあったので

まとめていきたいです。

うちの場合は、

不登校経験者の生徒さんが大半なので、
大学に行きたいと思うだけで
本人としても、保護者としても
前向きに変化していっていると思って頂けます。

ですが、仮にそれが失敗に終わったら、
本人に深い傷をつけてしまうのではないかと
僕は責任者として不安を抱いています。

もちろん、

大学受験に失敗したぐらいで
人生になんら影響がないことは、
僕自身が2回も失敗しているので、
分かっているのですが。

とはいえ、

これまで何かに挑戦することが
あまりなかった子が多いので、
はじめての大きな挑戦を
ただの失敗で終わらせたくないです。

そこでなにをしてあげられるのかなって、
僕なりに日々考えています。

その中で、改めて大事だなって思ったのは、
自分がなぜ大学に行くのかを

真剣に考えてもらうことです。

それも、表面的なきれいな理由ではなく、
もっと奥底にある

自分の欲望に気付いてもらうことです。

結局、表面的なきれいな理由って、
自分の言葉じゃないと思うんです。
そして、自分の言葉じゃないってことは、
自分の本当の欲求じゃないんです。
つまり、自分に向き合えてないんです。

そうなると、

やはり努力の質が

上がっていかないんですよね。
どこか他人事というか、

言われてるからやっているだけになる。


本来、自分の人生の方向性を決める受験。


自分が主人公として、行き先を決めて、
そこに到達するために、自分であれこれ考えて
上手くいかない時は修正を繰り返して、
それでも諦めずに歩んでいく。

この経験が大事ですよね。
言われるがままにやることやって、
なんとなく成績が上がって、
気がついたら終わってる受験になったら、
それこそ、何も残らない受験です。

改めて、

「大人は伴走者で、主人公は子どもたち」
という想いを強く持って、

夏以降の指導を行いたいと思います。

子どもが自分から悩みを話してくれる関係を作るためには?

お子さんに

何か悩みがあるんじゃないか、

と思っても、
思春期にもなると

素直に答えてはくれません。

僕も保護者面談でよく相談を受けます。
でも、苦しくなってしまう前に、
早め早めで話してほしいものです。

こんにちは!
名古屋市通信制高校で、
不登校の生徒を中心に、
大学受験指導をしている福ちゃんです!

今回は、

子どもから

相談をしてもらえる
関係づくりを考えていきます。

我々はどうすれば、

子どもから
自然と悩みを聞けるように

なるのでしょうか?


①会話を「雑談」にしてみる


誰にとっても話しやすい相手は、

雑談ができる相手です。
なにか畏まって話さないといけない相手には
誰だって緊張してしまいます。

ちょっと振り返ってみて、
雑談できていますか?

子どもたちに話しかけるときに、
「注意」や「小言」から

入ってしまうことが
多いんじゃないでしょうか。


例えば、

「ちゃんと手は洗ったの?」とか
「ゲーム止めなさい。宿題は?」と言うのは、
一方的な「注意」であって、

雑談とは呼べないですね。

では、雑談はどうやって始めれば良いのか。
それは相手が好きなことを聞くのが一番。

子どもが好きなゲームをしていたら、
「またゲームばっかりして」と

ため息をついたり、怒るのではなく、
子どもがしていることに

興味をもって話しかけてみる、ということ。

「どのキャラクターが好きなの?」

といった感じに聞いてあげるんです。

 

 

雑談ができると、

大切なことも

話してくれるようになる



子どもたちの方が
話に乗ってきてくれた時に

気をつけるのは、
途中で話を大人が聞きたい方向に

持っていかないこと。

「そんなにゲームが好きだと、
 将来ゲームを作るような

 仕事に就けたらいいね」とか、
「ゲームを作れるように

 プログラミングの勉強してみよっか?」など。


子どもたちがしたい話は

「今」の話です。
今、楽しんでいることを

共感してほしいのに、
将来のことを

いきなり持ち出されたら

興ざめです。

また、子どもが好きで楽しんでいることは、
相手の方が詳しいので、

教えてもらうつもりで、
興味津々な態度で聞くほうがよいです。


こうした雑談できる関係になっていると、
何か元気がない時や

苦しいと感じている時に、
「どうしたの?」と聞きやすいし、
子どもたちも話してくれます。

「友達とのことで

 困っていることはない?」と
少し深い内容も聞きやすいし、

子どもも話しやすいです。


大切なのは、

聞きたいことを

聞けるように誘導せず、
「今」に軸が合った話をしていれば、
雑談の続きで聞けるんです。



解決策は先回りしないで、

子どもが求めたときに提案する


関係作りが少しずつ上手くいき、
子ども側から

将来について語ろうとしたときには、
黙って聞いてあげましょう。

共感が大切です。

ここでも気をつけたいのは、

話を先導しないこと。
聞かれてもいないアドバイスをすると、
「聞いてほしいだけだったのに」と

逃げられてしまいます。


中学生くらいの

学校選びや塾選びの時に
よく見かける失敗を例にあげると、

保護者が勝手にパンフレットを
集めてきて、テーブルに並べるとします。

そして、おそらく保護者は
「これだけ選択肢があるよ」と
伝えたいのだと思いますが、

それがダメなんです。
用意してあげるだけが

優しさではありません。
自分で生きる力を育むのも優しさです。

だから、子ども側が
「自分に合った学校(塾)あるかな~」と
少し弱気な口調で話したときに、

「こんだけいっぱいあるんだけど、
 お母さん調べた中ではこことかどう?」と
言いながら提案するのであれば、
「すごい!」となるのです。

こちらから、先読みして、
子どもたちの行動を制限するのは、
それは「管理」です。


子どもが自分から話し始めたら、
大人はあえて話を先導しようとせず、
あとをついていくようにして

話を聞いてあげてください。

問題を勝手に決めつけられ、
求めてもいない情報を提供されたら、
仮に良かれと思っての行動であっても
いやだと感じるものです。

この気持ちは、

子どもでも同じなんだ、

ということを忘れないでください。


人間は意外とアドバイス

したくなるものです。


しかも、

自分が優位に立ちたい

と思うと現れやすいです。

しかし、相手には

寄り添ってもらえていないと思われます。

だから、アドバイスする前に、
今の子どもの様子をよく見て、
何が好きで何に夢中なのか、

耳を傾けてみます。

そして、いつも楽しく「雑談」することです。

 

 

まとめになります。
僕らは子どもを経験して大人になりました。
自分が思ったようなことを

子どもたちが思うのだろうと
想像を膨らませることは

決して難しくはないでしょう。

しかし、子どもたちは

大人を経験していません。
だから、大人が何を考えているのか

分かりにくいのです。
でも、それは仕方がありません。

当然のことです。


寄り添う側は我々なのです。
自分主導で管理するのではなく、
相手が自由気ままに

居られるようにしてあげてください。

勉強を頑張ろうと思える声掛けとは?


こんにちは、福ちゃんです!

僕が普段働いている通信制高校
うれしい出来事があったので、
皆さんに共有したいと思います。

中学校にまったく

行っていなかった子が、
高1からうちに通ってくれるようになり、
この春から特進コースに

移籍したのですが、
某K塾の模試で

英数国の偏差値60を越えました。

この子は

文系では最難関と言える

一橋大学を目指して、
この春から

学校とは別に

毎日6時間勉強をしています。

周りの大人の大半は

行けると思っていません。
しかし、僕は「不可能ではない」と

常々声を掛けています。

 


僕の言葉なんかよりも、
理解ある親御さんのサポートが
何よりも生徒のパワーになっていると思います。


しかし、

その子は僕の言葉で

頑張れると言ってくれています。


そこで、僕がどんな考えで

生徒に声掛けをしているのかを

話したいと思います。


受験合格は通過点、

幸せな人生を願う。


うちの不登校の生徒は、
周りに馴染めないことが

主な原因で不登校でした。

そんな子が大学進学を

真剣に考えたいと言っていたので、
僕は素直に「なんでやろ?」と思って、
夢を聴いてみることにしました。

とはいえ、

いきなりスッと言葉が

出てくる訳ではないです。

「やりたいことは何でもできるとしたら?」
「憧れていることは?」と、
言葉を変えながら、

折々に質問をしました。

その中で、

こぼした言葉の中に
「偏見や不平等に苦しむ人に何かしたい」

という言葉がありました。

これまた、僕が気になってしまって、
「なんでそう思ったん?」

そう聞いてしまいました。

すると、その子自身が

偏見に苦しんだことがあるそう。

 


そんな感じで対話を繰り返すうち、
社会学系の勉強をしたい」
と自分から思ったようで、
大学と学部を自分で調べてきました。


僕が進路指導で大事にしているのは、
目先の進路のことだけを考えていると、
楽しい気持ちになれないので、


こうなりたい!とか
こんなことができたらいいな!
という気持ちに焦点を当ててあげて、
楽しい将来をなるべく見せます。


僕自身が「人生は楽しむ」を
モットーに生きてるので、
生徒にも不安や心配ばかりに
目を向けるのではなく
楽しさを優先してもらいます。


確かに、

計画が楽観的ではダメですが、
どんなに綿密な計画も

修正が必要になるので、
未来予想は

悲観的になりすぎないことです。


それに、

「言われたから学校に行く」とか
「叱られるから勉強する」は
そこに自分の意思がありません。

「自分が行きたい方向に行くため」と
目的が自分事になった時に、
自発的な行動が起きるのです。

なので、ご家庭の中でも、
受験よりももっと先にある
「夢」について

語り合う時間を持つことは、
効果的なのではと思います。



「出来たこと」を

どんどん承認する


中学から不登校にだったので、
この子は英数にすごい不安を抱えていました。

まずは、これをなんとかしないと、
伸びていかないだろうなと思っていたので、
承認をとことん

増やしてあげることにしました。

例えば、

英単語を覚えられていなくても、
その日やるべき量をやれていれば、
「すごいじゃん、一歩成長だね」とか
「暗記は出会った回数だから、
このペースでやれば大丈夫だよ」とか

最初は「暗記が嫌い」と言っていましたが、
認めてもらえると、

そんな気持ちも
どこかへ行ってしまったのでしょうか。

大人でもそうですが、

どんなことであれ、
「すばらしいね」と言ってもらえることは、
大きな力づけになります。

それに、

小さい頃は立つだけ、歩くだけで
褒められていたんです。


出来ないことよりも、

出来たことを
見てもらえていたのに、
いつからか、

出来ないことばかりを見られるように。

まずは、出来たことを
認めてあげて、褒めてあげる。
出来ないことは、本人も分かってるんです。

だから、「出来たこと」を
どんどん承認してあげてください。


子どもが本当にその気になれば、
数年のブランクなんか、

取り返せるんです。


この子の場合は、
「もともと素養があった」

という見方もできますが、
「~ができないからダメ」

と決めつける大人ばかりなら
勉強をしようとか、

社会学を学びたいとか
そんなことは思わなかったかもしれません。

大人の想定以上になる可能性を
どんな子も持っている

 

その気持ちを忘れずにいたいと
改めて思える事例でした。